Glossary
用語集
バイオエコノミーには、バイオマス、発酵、未利用資源、カスケード利用、LCA、CBAMやEUDRといったEU規制まで、複数の領域にまたがる用語が登場します。
この用語集では、一般的な意味だけでなく、bioeconomy.jpがその言葉をどのように読み解くかもあわせて整理します。各用語は個別ページを持ち、関連する記事へもリンクしています。
単なる言葉の説明ではなく、食・農業、素材・ものづくり、資源・循環、政策、商業化、地域への影響を考えるための入口として使える用語集を目指します。
この用語集の読み方
各用語のページでは、次の観点で整理します。
- 一般的な意味
- bioeconomy.jpでの読み方
- 関連する論点
- 関連記事
用語の定義は、分野や政策文書によって異なる場合があります。そのため、bioeconomy.jpでは、ひとつの正解として固定するのではなく、その言葉が社会や産業の中でどのような意味を持つのかを重視します。EU規制関連の用語は施行スケジュールが変わりやすいため、記載内容の日付が最新かどうかは各ページでご確認ください。
用語一覧(38件)
- EUDR (いーゆーでぃーあーる)
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EUDR(EU Deforestation Regulation、EU森林破壊規制)とは、パーム油・牛肉・大豆・木材・カカオ・コーヒー・ゴムの7品目について、2020年12月31日以降に森林破壊に関与していない土地で生産されたことを証明できない限り、EU市場での流通・輸出を禁じる規制。適用開始日は繰り返し延期されており、現時点では中・大企業が2026年12月30日、小規模事業者が2027年6月30日からの適用とされている。延期が重ねられている経緯自体が、この規制の実務上の実行可能性の難しさを示している。
EU規制 森林破壊 サプライチェーン デューデリジェンス - LCA (えるしーえー)
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Life Cycle Assessment(ライフサイクルアセスメント)の略で、製品やサービスの環境負荷を、原料調達から製造、使用、廃棄までのライフサイクル全体で評価する考え方。
環境負荷 原料調達 製造工程 輸送 - カスケード利用 (かすけーどりよう)
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資源を一度だけ使って終わらせるのではなく、価値の高い用途から順番に複数回利用する考え方。例えば、木材をまず建材や素材として使い、その後に燃料として利用するような考え方が含まれる。
バイオマス 用途競合 資源配分 木質資源 - グリーンウォッシュ (ぐりーんうぉっしゅ)
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グリーンウォッシュとは、実際の環境負荷や改善の実態を伴わないまま、環境に配慮しているという印象を作り出す表現・広報活動を指す言葉。「グリーン」と、上辺だけ整えることを意味する「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語。EUは環境性能に関する主張に第三者検証を義務付ける「グリーンクレーム指令」を提案していたが、2025年6月に欧州委員会が提案の撤回意向を表明し、審議が停滞している。規制による対策そのものが確定していない点も、この分野の現状を示している。
環境表示 誇大広告 ESG 情報開示 - 後工程 (こうこうてい)
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発酵・培養などで目的物質を生産した後に行う、分離・精製・乾燥・成形などの一連の処理工程。ダウンストリーム処理とも呼ばれる。
バイオものづくり 精密発酵 精製工程 コスト - 合成生物学 (ごうせいせいぶつがく)
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遺伝子工学の技術を用いて、生物の代謝経路を設計・改変し、目的の物質を生産する微生物や細胞を作り出す学問領域・技術分野。精密発酵やバイオものづくりの基盤技術の一つ。
精密発酵 バイオものづくり スケールアップ 遺伝子工学 - サーキュラーエコノミー (さーきゅらーえこのみー)
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製品・素材・資源を廃棄せず、可能な限り循環させ続ける経済のあり方。「つくる→使う→捨てる」の一方通行(線形経済)から脱却し、廃棄物をゼロに近づけることを目指す。バイオエコノミーと相互補完的な概念。
資源循環 リサイクル カスケード利用 廃棄物利用 - 再生可能資源 (さいせいかのうしげん)
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利用しても、自然のサイクルの中で一定期間内に再生・回復する資源。森林、農産物、水産資源、微生物などの生物資源が代表例で、石油・石炭などの化石資源(再生不可能資源)と対比される概念。
生物資源 森林資源 水産資源 資源配分 - SAF (さふ)
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Sustainable Aviation Fuelの略で、持続可能な航空燃料を指す。廃食油、バイオマス、合成燃料などを原料とする航空燃料が含まれる。
バイオ燃料 廃食油 原料競争 航空産業 - CSRD (しーえすあーるでぃー)
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CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive、企業サステナビリティ報告指令)とは、EUが導入した非財務情報(環境・社会・ガバナンス)の開示を義務化する指令。従来のNFRD(非財務情報開示指令)を拡張し、対象企業数を大幅に増やした制度として2022年に採択された。当初は従業員1000人超の企業などが対象だったが、2025年に採択された「オムニバス簡素化パッケージ」により対象企業の範囲が大幅に縮小され、開示項目も削減された。具体的な適用基準・スケジュールは改訂後の指令テキストで確認が必要な段階にある。
EU規制 ESG開示 サステナビリティ報告 サプライチェーン - CSDDD (しーえすでぃーでぃーでぃー)
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CSDDD(Corporate Sustainability Due Diligence Directive、企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令)とは、EU域内で一定規模以上の事業を行う企業に対し、自社およびサプライチェーン全体における人権・環境への負の影響を特定・防止・是正する義務を課す指令として2024年に採択された。2026年2月に成立したオムニバスI指令(Directive (EU) 2026/470)により、対象企業の基準がEU域内売上高15億ユーロ超かつ従業員5,000人超(非EU企業はEU域内売上高15億ユーロ超)に引き上げられ、対象範囲が大幅に縮小された。適用開始も2029年7月、デューデリジェンス状況の年次開示義務は2030年1月以降開始の事業年度からと、当初より後ろ倒しされている。CSRDが『開示』を求めるのに対し、CSDDDは『デューデリジェンス体制の構築と実行』そのものを義務化する点が異なる。
EU規制 人権デューデリジェンス サプライチェーン 生物多様性 - CBAM (しーばむ)
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CBAM(Carbon Border Adjustment Mechanism、炭素国境調整メカニズム)とは、EUが2026年1月から本格運用する制度で、EU域外から輸入される鉄鋼・セメント・アルミニウム・肥料・電力・水素の6品目について、生産時に排出したCO2相当のコストを輸入業者に負担させる仕組み。2023年10月から報告義務が先行して始まり、2026年1月から本格適用(definitive period)に入ったが、実際のCBAM証書の購入義務は2027年2月まで延期されている。年間50トン以下の輸入者を対象外とする新たな適用除外基準も設けられた。
EU規制 炭素国境調整 輸出 サプライチェーン - 資源配分 (しげんはいぶん)
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限られた資源(原料・資本・土地・労働力など)を、どの用途・産業・地域に振り分けるかという問題。バイオエコノミーの議論では、特に限られたバイオマスや農地をどの用途に優先的に使うべきかという文脈で使われる。
カスケード利用 バイオマス 政策 補助金依存 - 実証事業 (じっしょうじぎょう)
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新しい技術・製品が、限定された条件・期間・規模で実際に機能するかを確認するための事業。多くは政府の補助金・委託事業として実施される。
補助金依存 商業化 スケールアップ 政策 - 消化液 (しょうかえき)
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生ごみや家畜排せつ物などの有機物をバイオガス化(メタン発酵)した後に残る液体状の副産物。窒素・リン・カリウムを含み、肥料として利用されることがある。
バイオガス 肥料化 地域エネルギー 畜産排せつ物 - 食品残渣 (しょくひんざんさ)
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食品の製造、流通、調理、消費の過程で発生する残り物や副産物。野菜くず、果皮、搾りかす、加工残渣、調理くずなどが含まれる。
食品ロス 飼料化 肥料化 発酵原料 - 食品ロス (しょくひんろす)
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まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。日本では年間約500万トン以上が発生するとされる。バイオエコノミーの観点では、食品ロスを「未利用資源」として捉え、素材や肥料・エネルギーへの転換が検討されている。
発生抑制 フードバンク 飼料化 肥料化 - 飼料化 (しりょうか)
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食品残渣や農業副産物などを、家畜(牛・豚・鶏など)の飼料として利用できる形に加工すること。エコフィードとも呼ばれる。
食品残渣 食品ロス 畜産 肥料化 - スケールアップ (すけーるあっぷ)
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実験室・パイロット規模で確認された技術・プロセスを、工業規模(商業生産の規模)まで拡大すること。バイオものづくり・精密発酵・合成生物学などの分野で商業化の最大の壁になりやすい工程。
精密発酵 合成生物学 バイオものづくり 商業化 - 生分解性素材 (せいぶんかいせいそざい)
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微生物の働きによって自然環境中で分解される素材。生分解性プラスチック、植物由来フィルムなどが代表例。石油由来プラスチックの代替素材として注目されるが、分解条件や速度によって性能が異なる点に注意が必要。
- 精密発酵 (せいみつはっこう)
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微生物などを利用して、特定のタンパク質、酵素、脂質、香料、機能性成分などを狙って生産する技術。食品、素材、化学品、医薬品など幅広い分野で応用が検討されている。
代替タンパク 機能性素材 精製工程 コスト - 代替タンパク (だいたいたんぱく)
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従来の畜産・水産由来のタンパク質に代わる原料。植物由来(大豆・えんどう豆など)、昆虫由来、培養肉、精密発酵によるタンパク質などが含まれる。
精密発酵 培養肉 植物由来食品 商業化 - 地域資源 (ちいきしげん)
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竹、間伐材、海藻、地域の農林水産物など、特定地域に存在する生物由来の資源。地域経済の循環を生み出す素材として、バイオエコノミーの重要な対象となっている。
- 農業副産物 (のうぎょうふくさんぶつ)
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農作物の収穫・加工の過程で、主産物とは別に発生する物質。稲わら、もみ殻、麦わら、豆殻、果皮、野菜の非可食部などが含まれる。
未利用資源 回収・輸送 飼料化 肥料化 - バイオエコノミー (ばいおえこのみー)
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生物資源(農林水産物、微生物、副産物など)を活用して、食品・素材・エネルギーなどを生み出す経済のあり方。化石資源への依存を減らし、自然の循環を活かした産業・社会をつくることを目指す概念。
生物資源の利用 化石資源依存の低減 商業化 政策 - バイオガス (ばいおがす)
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食品残渣、家畜排せつ物、下水汚泥などの有機物を微生物の働きで分解し、発生するメタンを主成分とするガス。発電、熱利用、都市ガス代替などに使われることがある。
食品残渣 畜産排せつ物 下水汚泥 地域エネルギー - バイオ素材 (ばいおそざい)
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植物、藻類、微生物などの生物資源を原料とした素材の総称。生分解性プラスチック、バイオ由来繊維、植物性インクなど、石油由来素材の代替として開発が進んでいる。
- バイオ燃料 (ばいおねんりょう)
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植物、廃食油、木質バイオマス、農業残渣など、生物由来の原料から作られる燃料。バイオエタノール、バイオディーゼル、SAF(持続可能な航空燃料)などが含まれる。
SAF 廃食油 木質バイオマス 食料との競合 - バイオプラスチック (ばいおぷらすちっく)
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バイオ由来の原料を使ったプラスチック、または生分解性を持つプラスチックを指す。バイオ由来であることと、生分解性があることは同じではない。
バイオ由来素材 生分解性 リサイクル LCA - バイオマス (ばいおます)
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生物由来の有機性資源の総称。木材、農業残渣、食品廃棄物、藻類など。エネルギー源や素材として活用されるほか、バイオエコノミーの基盤的な概念の一つ。
原料調達 回収・輸送コスト カスケード利用 バイオエネルギー - バイオものづくり (ばいおものづくり)
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微生物、細胞、酵素などの生物機能を活用して、素材、化学品、食品原料、燃料などを生産する取り組み。発酵技術や合成生物学、培養技術などが関係する。
発酵 量産 精製 設備投資 - バイオリファイナリー (ばいおりふぁいなりー)
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石油精製(リファイナリー)が原油から複数の製品(燃料、化学品など)を作り出すのと同様に、バイオマスを原料として燃料・化学品・素材・エネルギーを複合的に生産する施設・仕組みの考え方。
バイオマス カスケード利用 設備投資 商業化 - 廃食油 (はいしょくゆ)
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飲食店・食品工場・家庭などで使用済みとなった食用油。バイオディーゼルやSAF(持続可能な航空燃料)の原料として利用されることがある。
バイオ燃料 SAF 原料競争 回収体制 - 発酵 (はっこう)
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微生物(酵母、乳酸菌、麹菌など)の働きによって、有機物が分解・変換されるプロセス。食品(酒、味噌、醤油など)の製造に古くから使われるほか、バイオエコノミーでは素材・化学品・エネルギーの生産にも応用されている。
精密発酵 バイオものづくり 後工程 スケールアップ - 微生物 (びせいぶつ)
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細菌、酵母、カビ、藻類など、肉眼では見えない小さな生物の総称。発酵・分解・合成など多様な機能を持ち、食品製造から環境浄化、バイオ素材の生産まで幅広くバイオエコノミーの基盤を支えている。
- 肥料化 (ひりょうか)
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食品残渣、家畜排せつ物、下水汚泥などの有機物を、堆肥や液肥など農地で使える肥料に加工すること。
食品残渣 消化液 下水汚泥 農地還元 - 未利用資源 (みりようしげん)
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食品ロス、農業残渣、製造副産物など、これまで廃棄・未活用だった生物由来の原料や素材。茶殻、コーヒーかす、米ぬか、酒粕、規格外農産物などが代表例。バイオエコノミーでは、これらを新たな資源として捉え直すことを重視する。
回収・輸送 保管 品質変動 地域資源 - 林地残材 (りんちざんざい)
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木材の伐採・搬出の際に林地に残される、幹の先端部・枝葉・根株など、製材や製紙に使われない部分。木質バイオマスの原料として利用が検討される代表的な未利用資源。
木質バイオマス 未利用資源 回収・輸送コスト カスケード利用
用語は、分かったつもりになりやすいものです。
bioeconomy.jpでは、言葉の定義だけでなく、その言葉が社会、産業、政策、地域の中でどのような意味を持つのかを継続的に整理していきます。
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